ネオニコチノイドとミツハチの減少を関連づける強力な証拠 イギリスの新研究が発見

農業情報研究所環境農薬・化学物質・有害物質2016年8月17日

  イギリスの新たな研究が、ネオニコチノイド殺虫剤が授粉ハチに長期的に致死的影響を与えている強力な証拠を発見した。従来の実験室における短期的影響の研究でも、商業的に育成されたミツバチへの致死的影響は確認されていたが、大多数の野生のミツバチの減少とネオニコチノイドを関連づける強力な証拠はなかった。

 しかし、イギリスの62種の野生のハチの分布に関する18年間にわたるデータとネオニコチノイド使用量を関連付ける新たな研究によると、イギリスの田園地帯で目撃されるミツバチの数はナタネの種子のネオニコチノイド処理が広がるとともに減少、ネオニコチノイドの使用が始まって以来平均10%、最大30%の減少が見られる。ナタネ畑はミツバチの主要採蜜源だからである。

 研究は特段の政策提言はしていないが ネオニコチノイド使用の制限でハチの減少を抑えることができるだろうと結論している。

 Impacts of neonicotinoid use on long-term population changes in wild bees in England,Nature Communications,16.8.16

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