農業情報研究所
サハラ砂漠が後退傾向、南縁に植生回復の動き
農業情報研究所(WAPIC)
02.9.24
イギリスのNew Scientist誌の研究によると、衛星写真が1970年代からの干ばつにより砂漠化した地域に緑が戻りつつあることを示している(Africa's deserts are in "spectacular" retreat, NewScientist.com,9.18)。この15年の間に、モーリタニア南部、ニジェール北西部、チャド中部、スーダン、エリトリアの一部、すなわちサハラ砂漠南縁の一帯で、草地、森林の回復が見られる。
この研究は、オランダ・ドイツ・米国の海外援助機関が資金を供給したものである。研究者は、砂漠後退の原因は、降水の増加と農法改善と考えている。全体的に改善がみられるなか、特に海外援助機関が土壌と水の保全に投資してきた地域での改善が大きいという。斜面に沿って石を並べ、降水の浸透を助け、表土の流亡を止めるといった方法が効を奏しているらしい(Sahara desert frontiers turn green,BBCNews,9.18 )。