農業情報研究所

HOME グローバリゼーション 食品安全 遺伝子組み換え 狂牛病 農業・農村・食料 環境 ニュースと論調

イギリス:温暖化、建物と土地に巨大な脅威、自動車の所有と使用の削減を提言

農業情報研究所(WAPIC)

02.9.25

 9月20日、イギリス政府の「エネルギー節約トラスト」(Energy Savings Trust)が、地球温暖化の進行に伴なう洪水で、2千2百2千億£(44兆円以上)相当の建物と土地が脅威に曝されているというレポート(THE POTENTIAL FOR COMMUNITY HEATING IN THE UK)を発表した。それは、海面上昇と降水増加で、180万の家屋に住む500万人に氾濫のリスクがあり、優良農地の5分の3以上が洪水の脅威を受けることになろうと言う。このレポートは、将来のイギリスのエネルギー政策に関する「白書」を準備中の貿易産業省に提出される。

 レポートは、イギリスのエネルギー効率はいくつかのヨーロッパ近隣諸国に遅れをとっているとして、政府にエネルギー節約措置を強化するように要請している。それは、二酸化炭素排出量の大きな削減が比較的僅かなコストで実現できる可能性を詳細な数字で示す。最も論議を呼びそうなのは、政府に対して人々に車を棄てさせる政策の採用を要請していることである。自動車の燃費改善と一層クリーンな燃料の導入により二酸化炭素排出量が相当に減る可能性はあるが、輸送による排出量に実質的なインパクトを与えるためには、自動車の所有と使用の増加を遅らせ、最終的には減らすことをめざす長期的政策が必要だという。

 関連報道
 Global warming forces Inuits to abandon swamped homes,Independent,9.20