農業情報研究所

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中国:タクラマカン砂漠の地下に大貯水池発見

農業情報研究所(WAPIC)

03.2.10

 厳しい水不足に苦しむ中国北西部に福音が伝えられた。2月9日付のChina Daily紙が伝えるところによると、中国の地質学者が、「死の海」の別称をもつタクラマカン砂漠の地下に、目下建設中の三峡ダムの貯水量に匹敵する360億km3の貯水能力をもつ貯水池を発見したという(China finds Three Gerges-sized resorvoir in largest desert)。

 中国地質調査局(CGSV)の予備的データでは、50以上の水源と水量の多い場所から、干ばつに苦しむ地域における10の大規模ダム建設に相当する年間10万km3以上の取水が可能である。地質学者は、さらに、著名な未開地でる新疆のロプノール(羅布泊)東部にも140km2の地下水分布域に直接飲用にできる淡水を発見した。

 中国は1949年に乾燥地域における地下水探査を始め、2000年の西部開発運動を開始してからは、この努力が一層強められた。過去2年間、北西部の地下水探査に4千万元(480万ドル)が注ぎ込まれた。CGSVは、この発見は市民・工業・農業の水消費問題解決のための水文学的・地質学的基盤を提供できると言う。

 干ばつに苦しむ中国北西部には、中国領土の3分の1を占める新疆、維吾爾、青海、甘粛、寧夏と陜西・内蒙古・山西の一部地域が含まれ、北西部に住む9千万以上の人々のうちの1千万人以上が不適切な飲料水の被害を受けているという。土地・資源部の地質・環境担当官は、国による井戸掘削は西部で50万の人々の飲料水問題を解決してきたし、井戸掘削は地方住民を水を発見するための多チャンネルの投資に駆り立ててきたと言う。

 しかし、水の専門家は、地下水資源はなお限定されており、開発利用は科学的で分別ある方法で統御されねばならないと警告している。彼らは、地下水利用は、2010年には現在の消費量の10倍にもなるから、水資源の使用を持続させることが必要だと言う。