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スイス:グローバル化と温暖化による新種家畜病出現を警戒

農業情報研究所(WAPIC)

03.8.9

 スイス連邦獣医局(OVF)がグローバリゼーションと温暖化から来る新たな家畜病の出現を恐れ、対応を準備し始めた。

 昨年8月、クール県の家畜市場の280頭の牛の大部分がアナプラズマ病と呼ばれる病気に犯されていると診断された。これはダニがAnaplasma marginaleという最近を媒介して起こる牛や羊の病気で、これに犯された牛は深刻な貧血に陥り、病気の伝播を防止するために牛群全体が処分されねばならない。この病気は、従来、スイスでは稀にしか見られず、孤発的なものであった。この病気がスイスでどれほどの広がりを見せているのか調査が行なわれてきたが、OVFとチューリッヒ大学の専門家の大規模な研究の結果、5日、いまのところ、スイスの牛全体の95%はこの病源体に接していないという結論が出された。恐れられたほどの広がりはないことがわかったのだが、研究者は別の病源体の発見に驚かされることになった。

 今までは南欧や東欧でしか知られていなかったピロプラズマや小型ピロプラズマの病源体が発見されたのである。また、貧血を引き起こす可能性があるマイコプラズマ細菌の新たなタイプも発見された。さらに、スイスではこれまでまったく発見されていないカタル性熱病がイタリア中部・南部イタリアに存在し、次第に北に広がっている。この病気が動物から動物に伝わるためには特別な種の蚊の媒介が必要になるが、スイスに存在するかどうかわかっていない。OVFは来年から早期警戒システムを設置、この病気に最初に感染する可能性のある地域の牛を選んで定期的に検査する。

 Sorce:La Suisse se prépare à l'émergence de nouvelles maladies animales sur son territoire,Agrisalon,8.6