中国、今週の洪水等水関係災害死者288人に、3,100万haの農地に被害

農業情報研究所

04.7.8

 中国の国家洪水防止・干ばつ救援本部が7日、今週(火曜日まで)の洪水・土砂崩れなど水関連災害による死者は、22の省と自治区全体で288人に達したと発表した。また、3,330万人が直接の影響を受け、農地3,100万haが冠水、13万の家屋が破壊された(Flooding kills 288 in 22 areas across China,China Daily,7.8)。ただし、今までのところ、この夏の災害による全体的被害は90年代以来の同期間に記録された平均レベルは超えていない。洪水シーズン開始以来、激しい雨が一部地域を襲ったとはいえ、揚子江や黄河のような大河川の水位は、なお警戒水準を下回っているという。

 とはいえ、無数の人々が中小河川の氾濫に見舞われている。6月末の中部・南西部での豪雨に続き、河南、雲南、貴州の各省や、新彊ウイグル自治区、広西壮族自治区で、厳しい山地豪雨、土砂崩れ、地滑りが起きている。雲南省のコ宏地区では、この二日間の山間地の豪雨で、13人が死亡、41人が行方不明となっている。当局は360人の取り残された地方民を安全な場所に引き揚げさせた。貴州、広西、新彊では、山地豪雨や鉄砲水で10人が死亡、7人が行方不明となっている。

 全体的には最悪の事態になっていないとしても、それはただただ、揚子江や黄河のような大河が未だ氾濫を免れているからに過ぎないようだ。洪水シーズンは始まったばかりだ。農業部(省)は、今後大災害がないかぎり、今年は減少を続けてきた穀物生産が回復する最初の年になると予想しているが、未だ楽観できる時期ではない。

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