アマゾン森林焼き払いで、ブラジルがトップ10二酸化炭素排出国に

農業情報研究所(WAPIC)

04.7.20

 BBC Newsによると、アマゾン開発のための森林の焼き払いがブラジルを世界有数の二酸化炭素排出国に押し上げている。ブラジリア大学のCarlos Alberto Gurgel教授は、「毎年の数百万haの焼き払いを通して、ブラジルは途方もなく高レベルの二酸化炭素を排出している」と語ったという。

 この発見は、「地球の肺」と呼ばれることも多い世界最大のジャングルの焼き払いを通しての違法開拓を研究したブラジルと米国の大学研究チームにより報告された。ブラジルのメディアは、研究によると、森林破壊は毎年2億トンの二酸化炭素を大気中に注いでいると伝えている。これを化石燃料の焼却による排出に加えると、ブラジルは年に5億5千万dほどの二酸化炭素を出していることになる。

 国立宇宙研究所の気象学者・Carlos Nobreは、「森林破壊の結果、ブラジルは確実に地球上のトップ10排出国に入る」と言っているという。2000年の炭素換算二酸化炭素排出量は世界全体で230億dほどとされており、米国の排出量56億d(24.4%)、中国28億d(12.1%)、ロシア16億d(6.2%)、日本12億d(5.2%)、インド11億d(4.7%)などに比べるとはるかに少ないが、ドイツ7.8億d(3.4%)、英国5.8億d(2.5%)に次ぐトップ10排出国に入るのは間違いないようだ。

 Carlos Nobreは、主要国に比べれば排出量ははるかに少ないが、「主に経済・社会開発に貢献していないのだから、議論に値する」と語ったという。

 Amazon fires raise CO2 threat,BBC News,7.16

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