農業情報研究所環境気候変動・災害・砂漠化・水問題等ニュース:2010年12月16日

米農務省 炭素隔離と温室効果ガス排出を生産者が推定する改良オンラインツール

 米国農務省(USDA)が12月15日、さまざまな農地管理方法に結びついた炭素隔離量と温室効果ガス(GHG)排出量を生産者が推定するのを助ける改良オンラインツールを発表した。公式にはCOMET-VR 2.0の名で知られるこのツールは、このツールの共同開発者であるコロラド大学のウエブサイト(http://www.comet2.colostate.edu/)に収納されている。

 このツールは、作物地、牧草地、放牧地、果樹園、アグロフォレストリーの保全慣行の実施に結びついた炭素隔離とGHG排出の量を推定する。加えて、バイオマスと土壌の炭素ストックの変化、農場でのエネルギー使用による二酸化炭素排出量も推定する。さらに、二酸化炭素だけでなく、肥料や堆厩肥の施用の効率性を改善する農業慣行からの酸化窒素排出量も推定できる。

 これは 米国の48州の農地に適用できるという。

 USDA Announces Availability of Enhanced Online Tool to Estimate Farm-level Greenhouse Gas Emissions,USDA,12.15

 日本にもこんなツールがあるのかどうかは知らない。 もしあれば、農地土壌への炭素隔離(堆肥・有機物施用など)と農業・畜産からのGHG排出削減を目指す慣行への大きな動機づけになるかもしれない。