農業情報研究所環境気候変動ニュース 2017年6月1日 

米国がパリ協定離脱?中国とEUが気候変動と闘う”グリーン同盟”

米国が地球温暖化防止の国際的枠組み・「パリ協定」からの離脱を準備中という情報がある(トランプ大統領 人類殲滅のテロ=パリ協定離脱を準備(共謀)中 安倍総理は捜査中? 時評日日)。世界が注目するなか、大統領は31日、61日午後3時(日本時間2日午前4時)に離脱するかどうかの判断を正式に発表すると自身のツイッターで明らかにした(米、パリ協定あす判断トランプ氏、離脱方法協議か 東京新聞 17.6.1 夕刊)

もし離脱となれば、これは人類絶滅にもつながりかねない一大事、正式発表を前に中国とEUが動いた。メルケル独首相が“中国によるでっちあげ”と地球温暖化を否認するトランプ大統領に愛想をつかしたことは前に述べたが(メルケル独首相 米英はもはや信頼できるパートナーではない ヨーロッパは自分の運命を自ら切り開け 時評日日 17.5.29)、今やその中国とEUが、気候変動と闘い、トランプの国際的行動からの撤退の影響を相殺するための”グリーン同盟”を作り上げた(EU and China strengthen climate ties to counter US retreat,FT.com,17.6.1:China and EU sesl climate pact as fears rise over US commitment,Financial Times,17.6.1,p.1)。

日本のメディアは未だ報じないが(いつものこと)、フィナンシャル・タイムズ紙が見たドキュメントは、北京(中国政府)とブリュッセル(EU政府)は、化石燃料からの”不可逆的”シフトとパリ協定という「歴史的性成果」とを加速する措置に合意したことを示しているという。

それは、トランプ氏が離脱?を発表するのと同じ明日、EU首脳と中国首相によるサミットで公表される。共同声明は、双方は世界的低炭素経済に向けての”エネルギー移行をリードする」措置を「前進させることを決定した」と述べる。世界最大の炭素市場・EUは、今年始動する中国の国家炭素取引システムを支援するために1億ユーロを供与する。双方は世界の最貧国の温暖化対策を助けることでも合意した。米国が離脱しても途上国支援を維持する。

双方は電気自動車開発、エネルギー効率表示、グリーン・イノベーションに関する協力でも合意した。再生可能エネルギーの成長にも拍車をかける工夫をするという。

日本はどう動く。温暖化対策では「化石賞」に輝き続ける恐れある。