農業情報研究所環境気候変動ニュース 2017年6月2日  

 トランプ大統領 パリ協定離脱を発表 だが最終決定は次期大統領選後 離脱取り消し?

 トランプ米大統領が1日、予告通りにパリ協定から離脱すると発表した。しかし、これを伝えるニューヨーク・タイムズ紙の記事(Trump Will Withdraw U.S. From Paris Climate Agreement,The New York Times,17.6.1)によれば、

 オバマ大統領が参加し、世界の大部分の国が既に批准したパリ協定が定めるプロセスに従えば、離脱には4年近くがかかり、最終決定は次期大統領選における投票を待たねばならない。つまり、その時にはトランプ氏は大統領の地位を失っているかもしれないということだ。

 また、記事によれば、トランプ氏は協定が2025年までに270万の米国雇用を犠牲にすることになるという環境グループが異論を唱える研究を引用、所得と雇用を失う米国経済部門のリストを示したが、オバマ前大統領は決定を非難する異例の政治的見解を表明、「パリ協定にとどまる国々は創出される雇用と産業の利益を刈り取ることになるだろう。私は米国が協定の前線に立つべきと信じる。しかし、米国のリーダーシップがなく、この政府が将来を拒絶した一握りの国々に加わるとしても、わが州、都市、ビジネスは(気候変動との闘いを)強化し・リードし・将来世代のために我々が獲得した一つの地球.を守ると確信している」と述べたそうである。

 さらに、大部分の共和党員は決定を称えたが、スーザン・コリンズ上院議員は「気変動はグローバルなアプローチを必要とする。大統領の決定に失望した」とツィートしたそうである。

 4年後の大統領選挙はトランプ氏を追い落とし、米国のパリ協定離脱決定も取り消しとなるかも知れない。トランプさん、ご苦労さま。

 関連情報

 U.S. states, major companies break with Trump’s decision to exit the climate deal,The Washington Post,17.6.
 The U.S. can’t quit the Paris climate agreement, because it never actually joined,The Washington Post,17..6.1
 コラム:米国抜きのパリ協定、取り組み円滑化も ロイター 17.6.1