農業情報研究所環境気候変動・災害・砂漠化・水問題等気候変動と農業・食料生産:2020年7月17日

 

 CO2を大量に放出するG20諸国の食料消費 新型コロナが気候変動抑制に貢献?

 

 ノルウェーの首都オスロを拠点する非営利団体EATが発表した報告書「Diet for a Better Future(よりよい未来のための食事)」によると、G20のうち、国民1人当たりの食料消費によるCO2排出量が、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」の掲げる気温上昇幅を1.5度に抑える目標を達成できるほど低かったのはインドとインドネシアだけだった。

 

 中国では、継続的な経済成長が食肉と輸入食品の消費を押し上げており、同国の食事パターンを全世界の人々が取ると、CO2排出量は1.5度目標を達成できる限界値の2倍近くに達する。日本も同様に2倍近い。

 

 しかし、中国、日本の排出量は少ない方から3番目、4番目、EU諸国では一番少ないドイツでも限界値の3.36倍からフランスの5.2倍、ブラジル、米国は5倍を超え、オーストラリア、アルゼンチンは7倍になる。

 

G20の食料消費によるCO2排出量を比較、1.5度目標達成できるのは2か国のみ AFPBB 20.7.17

 

 食肉消費が多いほどCO2排出が多いことが示されているようだ。

 

 ところで、新型コロナパンデミックに襲われた今年、消費者の食費切り詰めやレストラン閉鎖などで世界の食肉消費は激減しているそうである(Pandemic to Spark Biggest Retreat for Meat Eating in Decades,Bloomberg,20.7.7)。新型コロナが気候変動を抑制する?