中国沿岸海域、水質汚染が深刻

農業情報研究所(WAPIC)

04.2.2

 2月1日付の「中国日報(Chinadaily)」の報道(Offshore areas still exposed to heavy pollution)によると、中国国家海洋局(SOA)は31日、沿岸海域が深刻な汚染問題に直面しているという2003年海洋環境報告を発表した。

 報告によると、中国には陸地から海に汚染物質を排出する867の大きな河口があるが、2003年、SOAが厳格な監視下に置く20の河口から排出された下水は8億8千800万トンで、これは1億2千800万トンの汚染物質を含むという。

 大部分の沿岸海域は重大な汚染に直面しており、海洋生態系が影響を受けている。一部沿岸域では生物がまったく見られない。北部の太連湾・錦州湾や南部の珠江河口地域では、貝類は鉛・カドミウム・砒素・大腸菌などの有毒物質に高度に汚染されている。黄河、揚子江、珠江の河口域では汚染で生態系が変わっている。2003年には、赤潮が全体で119回襲い、1万4千km2に影響を与えた。大部分の沿岸海域で海洋植物プランクトンの密度が上昇、クラゲの数は増えて魚を脅かしている。熱帯海域生物が一部北部海域を侵略、内陸部生物の危険が増している。 

 主要な汚染物質は下水、工業廃棄物、化学肥料、農薬から来る無機窒素、燐、鉛である。

 中国の水質汚染対策は、なお急速な経済成長に追いついていないようだ。

農業情報研究所(WAPIC)

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