米国最大級のバイオエタノール生産者 エタノール価格急落で新工場建設を停止

 農業情報研究所(WAPIC)

07.10.3

  米国最大のバイオエタノール生産者の一つであるヴェラサン・エネルギー社が、年産1億1000万ガロンのエタノール工場の建設を停止した。2008年には建設を再開するかもしれないが、再開するかどうかは市場条件の成り行き次第、この60日でエタノール価格が1ガロンあたり[200セントほどから]50セントも下落しており、現在のペースでの拡張には慎重にならざるを得ないという。

 VeraSun Energy Suspends Construction on Reynolds, Ind., Biorefinery,PR Newswire,10.1

 先日報じたように(米国エタノールブームに陰り 生産急増で市場が”食傷の病”に倒れる,07.10.1)、米国エタノールブームは、確かに曲がり角に来ているようだ。小規模なものが多い農業者(地方)所有工場の中には、操業停止に追い込まれるものも増えるかもしれない。今週、上昇が続いていた原料トウモロコシ価格は下落に転じたが、製品価格が半分にも下がったのでは採算はまったく取れないだろう。

 参照:米国燃料エタノール統計:工場数と生産能力における農業者所有工場の比率 シカゴ商品取引所穀物等先物相場:07.8.21-10.2

 なお、ヴェラサン・エネルギー社は、米国各地に9工場を持ち、その現在の総生産能力は4億5000万ガロンとされている。単独会社としては、27工場で11億ガロン(生産能力、さらに3億7500万トン増やす予定)のポエト社、7工場で10億700万ガロン(同、さらに5億5000万トン増やす予定)のADM社に次ぐ生産能力を持つ。今後の工場建設・拡張で能力は5億5000万トン増やす予定としていた。

 以上、米国更新可能燃料協会(RFA):http://www.ethanolrfa.org/industry/locations/