米国環境保護庁 テキサス州のバイオ燃料利用義務免除の要求を拒否

農業情報研究所(WAPIC)

08.8.8

 米国環境保護庁(USEPA)が7日、07年エネルギー法が定める”再生可能燃料基準”(RFS)を減らことを求めるテキサス州の要求(テキサス州 バイオ燃料基準適用免除を要請 それでも飼料価格は下がらないという研究も,08.4.30)を拒否すると発表した。従って、供給燃料にブレンドするように法が義務付けたエタノールやバイオディーゼルなどの再生可能燃料の総量は、2008年に90億ガロン、2009年に111億ガロンのままにとどまるという。

 Biofuels levels kept in place after considering Texas’ request,USEPA,8.7
 http://yosemite.epa.gov/opa/admpress.nsf/bd4379a92ceceeac8525735900400c27/871e4716874340fe8525749e005b43be!OpenDocument

 ステファン・ジョンソンEPA長官によると、「この要求は法の基準に合致しないことは明らか」で、「RFSは、攻撃的だが実際的な方法でアメリカの温室効果ガス排出を減らし・外国の石油への依存を減らすための進行中の努力におけるひとつの重要な手段」なのだそうである。

 現在の法は、EPAが義務付けられたバイオ燃料の量が経済と環境を”厳しく害する”と決定すれば、EPAが全国規模のRFSを免除することができるとしている。EPAは高い商品価格が経済的影響をもたらしていることは認めるが、テキサスの要求のEPAによる分析では、RFSの義務が、テキサスにより特定された期間の間に厳しい経済的損害を引き起こしているという確かな証拠は見つからなかったそうである。 


 バイオ燃料で温室効果ガス排出が減るとは限らない。外国石油依存減らしにおける役割も微々たるものだ。それでも米国の現行バイオ燃料は揺るがない。少なくとも大統領が交替するまでは。

  関連ニュース
 US backs its biofuels,Nature News,8.7
 http://www.nature.com/news/2008/080807/full/news.2008.1030.html