農業情報研究所>環境>エネルギー>ニュース:2018年12月26日
フランス議会 パームオイル・バイオ燃料の事実上禁止措置
フランス国民議会が2019年財政(予算)法案審議の途上、パームオイルを原料とするバイオ燃料を《持続可能な(durable)》バイオ燃料のリストから外すという修正案を採択した。
法案は、持続可能な仕方で栽培され、かつ森林破壊に寄与しないものすべてがバイオマ燃料に加工される規定、持続可能な原料のリストはデクレ(政令)で定めるとしている。しかし、このリストに何が含まれるかは誰も知ることができない。そこで、《パームオイルを原料とする製品はバイオ燃料と見做されない》という修正条項が付け加えられることなった。
持続可能なパームオイルと称するものもあるが、必ずしも信用できないというわけだ。
これにより、パームオイル原料とするバイオ燃料は、2020年以降、従来享受してきた税制上の優遇措置(汚染税免除)が受けられなくなる。事実上のパームオイル・バイオ燃料の禁止措置だ。
フランスに輸入されるパームオイルの75%がバイオ燃料(バイオディーゼル)に加工される。年300万トンを生産するトタールの損失は1億ユーロ(1ユーロ≒125円)になるだろうという。
Huile
de palme : «Il fallait choisir entre les Rafale et un grand pas pour la planète»,Liberation,18.12.20
L'huile
de palme sortie de la liste des biocarburants,Les Echos,18.12.29
このフランス議会の決定に、パームオイルの最大輸出国・マレーシアの一次産業相は、マレーシアを含むパームオイル生産国の数百万の生計を破綻させる恐れがあると反発している。
‘Malaysia
will protest anti-palm oil vote’,The Star,18.12.23
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