中国科学者 四川の奇病の原因と見られる連鎖球菌の塩基配列を確定 豚と人間で同一
05.7.28
xinhua.netの報道によると、中国の科学者が四川省で27日までに27人を殺した原因不明の奇病を引き起こしたバクテリア遺伝子の塩基配列解読を完了した。豚由来の連鎖球菌は、病気の豚と人間で正確に同じ塩基配列を持つことが分かった(Gene sequence of deadly big bacteria completed,xinhua.net,7.28;http://news.xinhuanet.com/english/2005-07/28/content_3278118.htm)。
これにより、病気の原因がこのバクテリアであることが確認されたことになる。病気が豚から人間にどのようにして移ったかの分子生物学的証拠を見つけるために、豚と人間からのバクテリアが遺伝的にどう関連しているか、さらに研究を行っているという。
27日正午までに患者はさらに増え、前日よりも14人多い131人になった。大部分のケースは資陽市と内江市で報告されたものだが、四川内の別の場所の6町からも6人の感染が報告された。中心的専門家や当局者は、中国は発生をコントロールする技術を持っており、家畜産業にも人間にも永続的な脅威はないと不安に沈静に努めている。当局者は中国が豚のワクチンを開発したと語ったという。
なお、27日付けのnewscientist.comのニュースは、WHOのスポークスマンは、これほどの大規模な発生は前例がなく、なぜこうなったのか理解できないと言っている。このバクテリアを原因とする人間の患者は1968年にデンマークで初めて報告されたが、これまでに報告されたのは200例だけだという(Mysterious disease outbreak in China baffles WHO,newscientist.com,7.27;http://www.newscientist.com/article.ns?id=dn7740)。
China Daily紙によると、南京農業大学獣医カレッジのYao Huochun教授は、一部は小規模養豚場の不衛生な条件と高温が重なったためだが、専門家は何が特別に発生の引き金になったのか未だ確定していないと語っている(Veterinarians play down disease threat,China daily,7.28;http://www2.chinadaily.com.cn/english/doc/2005-07/28/content_464034_3.htm)。
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