FAO ナイジェリアの鳥インフルエンザ拡散防止にはワクチン接種キャンペーンが必要

農業情報研究所(WAPIC)

06.2.23

  国連食糧農業機関(FAO)が22日、ナイジェリアの家禽におけるH5N1鳥インフルエンザウィルスの拡散が止まらず、ナイジェリア当局の強力な拡散防止措置にもかかわらず地域の災厄を引き起こす恐れがある、的を絞ったワクチン接種キャンペーンが必要だと訴える声明を出した。

 FAO,Bird flu virus advances in Nigeria:FAO warns of a regional disaster - targeted vaccination campaigns needed(2.22)
 http://www.fao.org/newsroom/en/news/2006/1000238/index.html

 FAOのJoseph Domenech主任獣医官は、「家禽の移動と交易がウィルスのさらなる拡散をもたらす強力な要因になっている。政府は発生地域での殺処分や生物安全確保コントロールなどの正当な措置を取ってきたが、当局はコントロール執行の巨大な困難に直面している」と、ナイジェリア政府に的を絞ったワクチン接種キャンペーンの準備を勧告する。しかし、ワクチン接種キャンペーンには数千のナイジェリアの獣医の動員が必要で、国と地域の当局の強力な介入もの必要だ。このようなキャンペーンのためには、ワクチン、車、ワクチン接種チーム、訓練などのための資金が必要だ。サーベイランスチームは、状況を注意深く監視し、鳥インフルエンザ勃発の際には即座に介入できなければならない。

 このようなキャンペーンの実行はナイジェリアだけでは難しい。国際社会の支援が不可欠だ。

 FAOと国際獣疫事務局(OIE)はアフリカ同盟の担当部局と協力、政府が状況を評価し、ウィルス拡散を止めるための適切な戦略を定めるのを助けているという。これには、ワクチン、注射器、コントロールに携わる人々の防具の戦略的備蓄の構築が含まれる。発電機、コンピュータ、試験所設備などの設備も緊急に必要だ。さらに、人々が勃発を隠し、感染した鶏を売らないようにするための農家の損失補償、家禽の感染や家禽からの人々への感染を減らすための大規模なコミュニケーション活動も必要になる。

 FAOは、ナイジェリア、ニジェール、アルジェリア、モーリタニア、エジプト、チュニジア、チャド、ベナン、トーゴ、ガーナ、アイボリー・コースト、ギニア、ギニア・ビソー、セネガル、ブルキナ・ファソ、リベリア、シエラ・レオーネ、ガンビア、マリ、カメルーンのサーベイランスとコントロール活動を支援するために、およそ100万ドルを配布した。ナイジェリアには1億4000万の家禽がいると推定され、1回分の鶏ワクチンは5セントから20セントになるという。

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