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大豆農場拡散と当局能力不足、アマゾン破壊を加速

農業情報研究所WAPIC)

03.6.27

 BBC Newsが伝えるところによると、ブラジル・アマゾンの森林破壊が加速されている。国立宇宙研究研究所が衛星データを整理した数字では、2001年と2002年の間に破壊の速度は40%増加、1995年以来最高になっているという。2001年には1万8千166km2、2002年には2万5千476km2が失われた。主に農場開発のためという。環境団体によると、アマゾン南部に大規模大豆農場が広がっている。大豆生産は農民に大きな収入をもたらし、ブラジルの貿易収支を大きく改善する要因となっている。しかし、当局が環境保護法の執行を怠っていることにも原因があると批判している。

 政府は、来週、森林破壊と闘うための新たな提案を発表する予定であるが、長い間アマゾン保護運動にかかわってきたルーラ新政権の環境相・マリナ・シルヴァは困難な状況を受け継いだとBBCサンパウロの通信員に語ったという。国は多額の資金を投じて衛星・レーダー監視網を敷き、どこで森林破壊が起きているか正確なデータを得ている。しかし、現場の予算のカットで船や自動車の石油を購入するカネも十分になく、不法伐採者や農民を止めることができない。ブラジルの混乱した法制度の抜け道や腐敗により、森林破壊者が必ずしも罰せられていないともいう。

 アマゾンは世界最大の雨林であり、地球上の動植物の30%の故郷である。過去15年間で、ブラジル・アマゾンの5%にあたる24万3千km2が消失している。

 Amazon destruction speeds up,BBC News,6.27

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