ブラジル アマゾン森林守護者のシルバ環境相が辞職 強まるルラ大統領の開発優先

農業情報研究所(WAPIC)

08.5.14

  ブラジルのマリナ・シルバ環境相が”個人的”理由で辞職した。

 アマゾン地域のアクレ州のゴム樹液採取者の子のシルバは、14歳まで字が読めなかった。20年近く前に虐殺された雨林活動家のチコ・メンデスと行動を共にし、2002年の大統領選挙で現ルラ大統領が勝利したときに環境相に指名された。

 ブラジル政府内で唯一、アマゾン森林保護のために誠実に活動してきた。アマゾン森林破壊を加速している牧畜民・農民と闘ってきた。マデイラ河の二つの巨大水力発電ダムや、新たな道路を含むいくつかの政府のインフラ・プロジェクトにも反対していた。

 ブラジルのメディアによると、彼女は、新たに発表された政府のアマゾン戦略の調整者として行動する他の大臣の最近の指名により更迭されたと信じられている。また、遺伝子組み換え作物や新たな原発の建設を許す政府の決定も彼女への逆風となった。

 通信員たちは、彼女の辞職で、ルラ大統領の環境保全よりも経済開発を優先する姿勢が一層強まるだろうと言う。

  Brazil's Amazon minister resigns,BBC News,5.14
  http://news.bbc.co.uk/2/low/americas/7399715.stm

 関連情報
 http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/earth/forest/index.htm