EU:欧州議会、補助食品指令に合意

農業情報研究所(WAPIC)

02.3.15

 13日、欧州議会は、欧州委員会が提案し、閣僚理事会が既に採択している補助食品(サプリメント)指令に合意した。これにより、指令の最終的採択への道が開かれた。これは国によって大きく異なる 補助食品販売のルールを調和させるもので、ビタミンやミネラルを含む補助食品のための共通の安全ルールを導入する。

 バーン食品担当委員によれば、「指令の目的は、いくつかの圧力団体が消費者に信じ込ませようとしているように補助食品を禁止することではない。ある種の人々は必須のビタミンやミネラルの不十分な摂取を補うための 補助食品が必要だとと感じている。彼らに対しては、ラベルによりどのように使用すべきか、またどのように使用すべきでないか情報を与えられねばならない。また、我々は、ビタミンやミネラルの添加物を生産するために使用される化学物質が安全で、独立した科学的評価に服するように保証しなければならない」。

 指令の第一の目的は補助食品に関する一般的フレームワークと安全ルールを設定することである。第一歩として、ビタミンとミネラルに関する詳細なルールが定められる。科学的アセスメントと他の食品からのビタミンとミネラルの摂取に関するデータに基づいてビタミンとミネラルの摂取の上限量が設定されることになる。

 第二の目的は、消費者が情報に基づく選択ができるように、ラベルにより詳細な情報を提供することである。例えば、ビタミン錠剤のボトルのラベルには、一日当たりの服用量、過剰に服用した場合にありうる健康上のリスクに関する警告、錠剤は様々な食物の代用品として使用されてはならないという記述がはっり分かるように示されねばならない。製品が病気を予防する、直すなどの主張は禁止される。

 この指令が各国国内法に翻案されて実際の影響をもつようになるまでには数年を要するであろうが、アイルランドでは、健康食品産業からは安全レベルが下げられ、処方の見直しを迫られることへの不安の声があがっている。消費者は同じレベルの栄養を取るために、より多くの量の購入を迫られようとも報道されている。

 European Commission:Safety of food supplements Byrne welcomes agreement between European Parliament and Council ,3.13
 Irish MEPs express doubts about EU food supplements,The Irish Times,3.14
 関連情報
 農業・農村・・・:ニュースと論調・2002年3月「食品安全」の項

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