農業情報研究所


IOC:食品添加物がアナボリック・ステロイド汚染の研究

農業情報研究所(WAPIC)

02.4.5

 4月4日づけのFinancial Times紙によると、国際オリンピック委員会(IOC)の研究により、広く使われている食品添加物が蛋白同化ステロイドに汚染されていることが判明した。この発見が意味するところは、これら製品の消費者がnandrolone(肝癌や受精能力の損失に結びつく)やtestosteroneなどのプロ・ホルモン(ホルモン前駆物質)を、そうとは知らず摂取しているということである。

 この研究は、検査された634の添加物のうち、14.8%がドーピング検査で陽性になりうる無表示の物質を含むことを明らかにした。これにより、最近、ドーピング検査により陽性となるスポーツ選手が増加していることが説明できる。同時に、これは公衆衛生上の問題にもなりうる。近年は、多くのティーン・エイジャーがこれらの製品を利用しているからである。

 これらの物質の90−95%は故意に添加されたものではないと推定される。高濃度で汚染された製品は、ヨーロッパほど規制が厳格でない米国製のものとみられる。米国議会は、1994年、メーカーへの規制を緩和する食品添加物法を採択した。

 IOCは米国政府に規制強化を要求する。

 IOC warns on food supplements,Financial Times,02.4..4,p.1
 Athletes run risks from legal food supplements,,Financial Times,02.4..4,p.3

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