農業情報研究所


イギリス:堆厩肥中の病原菌による食品汚染防止、ガイドライン作成へ

農業情報研究所(WAPIC)

02.4.6

 食品基準庁(FSA)がサラダ野菜、果物などを栽培する土地に散布される堆厩肥からの食品汚染を防止するための新たなガイドラインの草案(Managing Manures for Food Safety )を作成、関係省庁や食品産業・農業団体(有機農業団体を含む)との協議に付している。草案は、FSA資金により行われた堆厩肥中の大腸菌(サルモネラ、リステリア)のような病原菌に関する研究に基づいており、6月14日までに協議を終える予定となっている。

 イギリスでは、毎年、9千万トンの固形・液状(スラリー)の耐厩肥が通常農業・有機農業用地に施用されている。その一部は食品汚染を引き起こす病源体を含むとみられ、特に、サラダ用野菜、果物、その他の若干の野菜のような食べる前に調理されない作物には警戒が必要と考えられている。

 草案は殺菌を助けるための手段として、日光と紫外線への暴露、摂氏55度以上の高温、高アルカリ状態の維持(石灰の使用)、時間をおいての施用(大腸菌のような病原菌は土壌中で数カ月生き残るが)などを示している。また、栽培前・栽培中・栽培後の一括手段として、圃場サイトの注意深い選定、収穫の一定期間前の施用停止、作物が栽培または収穫される土地での家畜の放浪の禁止、適切な堆厩肥貯蔵、正確な記録の保存などを勧告している。

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