高澱粉フライ食品に発癌のリスク発見ースウェーデン研究者

農業情報研究所(WAPIC)

02.4.25

 24日付けのFT.com(Cancer risk found in high-starch foods,FT com,4.24)によると、スウェーデンの食品行政機関である「スウェーデン・フード・ウォッチドッグ」とストックホルム大学の研究者が、24日、ポテト、パン、コメのような油で揚げた食品や焼いた食品を食べることによる健康のリスクは以前に考えられていたよりもずっと高いと警告した。

 癌を引き起こしたり、神経システムを損傷すると広く信じられているアクリルアミドがこれらの食品中に高いレベルで存在することが発見されたからである。分析された製品にはポテト・クリスプ、チップス、ビスケット、朝食用シリアル、パンが含まれ、クリスプの一袋は世界保健機関(WHO)が定める飲料水中の許容量の500倍のアクリルアミドを含んでいる。高レベルのアクリルアミドは調理中に作り出されたもので、生のものやボイルされたものにはまったく検出されない。

 これは世界で初めての発見である。しかし、研究者は100余りのランダム・サンプルの分析では製品の販売停止を勧告するには不十分としている。分析結果は欧州委員会に伝えられる。

 イギリス食品基準庁は、消費者は今までと同じように食べてもよいが、サンプルとなった製品の検査を始めると発表した(FSA to test for possible carcinogen in chips and bread,Guardian Unlimited,4.25;FSA statement on Acrylamide ,02.4.24)。 

 なお、スウェーデンのレポートそのものはSweden's National Food Administration(英文あり)で見ることができる。

 

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