農業情報研究所


アイルランド:豚の識別トレーシング・システム導入へ

農業情報研究所(WAPIC)

02.7.31

 7月22日、アイルランド農相が、豚にタグを付け、移動の詳細を中央データベースに通知することを1100の全養豚農家に要求する「国家豚識別トレーシング・システム」の導入を発表した(Press release:FURTHER STAGE IN DEVELOPMENT OF ANIMAL IDENTIFICATION/TRACEABILITY SYSTEM,02.7.22)。すべての豚の移動は、食料のトレーサビリティを保証し、(豚の)病気を予防するための新システムの一部として、電子的に記録されることになる。豚の所有者や加工業者はペーパーワークをすることなく、豚の販売が電子的に記録される。

 牛の登録とトレーサビリティのシステムは2000年に完全に稼動しており、昨年には羊についても同様のシステムが稼動した。今回の豚に関するシステムの導入で、主要な家畜の識別・トレーサビリティが完成することになる。

 豚の識別・トレーサビリティのシステムの導入は、最近、一農場で禁止成長ホルモンを使用している可能性が発覚したことを契機にしている(Press release:DEPARTMENT INVESTIGATES ALLEGED BREACH OF RESTRICTION ORDER ON PIG FARM,02.7.5)。問題の成長ホルモンは「カルバドックス」で、発癌のリスクが疑われることから、EUにより1999年1月以来使用を禁止されている(米国との貿易紛争に発展)。この農場は、4月以来、豚のすべての出入りを禁じられている。

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