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イギリス:外食がアレルギー・リスクを増す

農業情報研究所(WAPIC)

02.9.13

 イギリスの環境衛生に関する職能・教育団体・「公認環境衛生研究所(CIEH)」と「過敏症キャンペーン(Anaphylaxis Campaign)」が外食のリスクについて啓蒙するキャンペーンを開始する。

 同団体によれば、食品アレルギーよる死者の4分の3は、レストラン、カフェなどで出される食品が関係しているという(CIEHWatch what you eat, says the CIEH,02.9.10)。ピーナツ、貝、卵などの食品への反応で、年に12人が死亡すると推定され、過去20年の間に、深刻な食品アレルギーをもつ人の数は急増している。そして、定期的に外食する人の数も急増している。問題は、一見安全に見える食品を食べて病気になる人がいるということであり、例えば、ナッツ・アレルギーをもつ人がコロネーションチキン、レモン・メレンゲ・パイ、イタリアン・アイスクリーム、ショートブレッドなどを食べて死んでいる。これらには微量のナッツが含まれているからである。

 CIHEは、食品製造者の表示は大きく改善されたが、多くの配膳業者、レストラン、テイクアウト食品では、メニューの正確な製品説明や成分に関する最新情報が決定的に重要だと言う。従業員も客の質問に答えられねばならない。過敏症キャンペーンのHazel Gowland は、「これは、少なくとも百人に一人の大問題である。食品企業は深刻な食品アレルギーに気づくようになっているかもしれないが、どうしたらよいかわかっていない可能性がある。同時に、大きなリスクをもつ若い消費者は、症候が命を脅かすようになるかもしれないとは知らないことが多く、従業員にどう質問したらよいかもよくわかっていない」、この情報ギャップを埋めるには、食品関係職業人に対する教育訓練が必須だと言っている。

 BBCによれば、レストラン協会の最高責任者・Ian McCellicorは、業界は既に問題がよく分かっている、私の業界に言いたいことの核心は、成分が何か分かっていないときには、分かったように主張するな、客に断言するなということだと言う。「”知らない”とか、”キチンで確かめる”という方がずっと良い」(Eating out poses allergy risk,BBCNews,9.9)。

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