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EU:ウクライナの脱脂粉乳、ブラジルの鶏肉、抗生物質残留で検査を強化

農業情報研究所(WAPIC)

02.9.22

 920日、EUの「食品チェーン及び動物保健常設委員会(SCFCAH)」は、今年初めに強化したアジア諸国等からの輸入魚介類の検査・輸入規制措置を緩和するとともに、ウクライナ、ブラジルからの食品の抗生物質残留検査を強化するという欧州委員会の提案を採択した(Results of the Standing Committee on the Food Chain and Animal Health - Antibiotic Residues)。決定の内容は以下のとおり。

 中国

 一定の養殖漁業産品・漁業産品に抗生物質・クロラムフェニコールが発見されたために、EUは、今年3月、中国原産の動物産品の輸入を一時停止させた。その後、中国当局から提出された情報と、EU側で行なわれた検査の結果に基づき、強化された監視・検査体制の下で、一定の魚製品、ゼラチン、ソーセージ・ケーシングの輸入は再開された。今回の決定により、すべての魚の追加検査が解除される。ソーセージ・ケーシングについては、強化検査体制を維持する。

 ベトナム

 輸入エビにニトロフランの残留が発見されたために、今年3月に、ベトナムからの輸入エビの全量検査が導入された。ベトナムの安全保証措置とEU側の検査結果に基づき、全量検査を止める。

 パキスタン

 クロラムフェニコール残留のために、今年1月に導入されたエビの全量検査を止める。

 ウクライナ

 動物飼料向け脱脂粉乳及び脱脂粉乳から造られた人口ミルク代用品にクロラムフェニコールの残留が発見されたために、全量検査を導入する。

 ブラジル

 鶏肉にニトロフランが検出されたために、ブラジルからの鶏肉・鶏肉製品・調整品に全量検査を導入する。