農業情報研究所

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EU:旅行者の肉・ミルク持込を禁止へ、来年1月から

農業情報研究所(WAPIC)

02.9.22

 9月20日、EUの「食品チェーン及び動物保健常設委員会(SCFCAH)」は、EU域外諸国からの旅行者が肉・肉製品・ミルク・ミルク製品をEU域内に持ち込むことを禁止するという欧州委員会の提案を採択した(Tighter rules on personal imports of meat and milk into the EU)。来年1月から実施する。最大の目的は、昨年、多大な被害をもたらした口蹄疫や豚コレラを予防することにある。従来は、旅行者が私的消費のために持ち込んだり、個人宛に送ることは許されていたから、これは重大なルール変更であり、30ヵ国語のポスターを出すなどして、EUやEU加盟候補国に入る旅行者に周知を図るという。

 しかし、小児用の粉ミルク、小児用食品、医療上の理由で必要な特別の食品については、一定の要件を満たせば持ち込みが許される。その他の個人用のこれら品目の輸入は、商業目的の輸入と同じ条件(公的な獣医証明が必要)でのみ許される。

 ただし、グリーンランド、フェロー諸島、アイスランド、アンドラ、サン・マリノ、リヒテンシュタイン、スイス、トルコを除くEU加盟候補国からの旅行者には新ルールは適用されない。

 とりわけイギリスの農業団体は、動物製品輸入の厳しいコントロールを要求してきた。口蹄疫が及ぼした破滅的影響を考えれば、このような措置もやむを得ないのかもしれない。