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EU閣僚理事会、新表示指令を承認、すべてのアレルギー成分の表示へ

農業情報研究所(WAPIC)

02.11.15

 11月14日、EU閣僚理事会は、欧州委員会が提案している2000年の食品表示指令(2000/13/EC)修正案について共通の立場を採択した。これは、消費者が食品の内容について完全な情報を与えられ、アレルギーをもつ消費者があり得るすべてのアレルギーを引き起こす可能性のある成分(以下、「アレルギー成分」と言う)を確認できるように保証するものである。時に致死的な被害に遭うアレルギー患者には、大きな朗報であろう。

 新指令の下では、混合成分のすべての副次成分の表示が義務づけられる。例えば、ソースに含まれる得る卵、ミルク、マスタードのような副次成分は、従来、それらが製品の25%未満の構成成分であれば表示する必要がなかったが、今後はこのようなすべてのアレルギー成分の表示が義務づけられる。

 さらに、従来のいくつかの表示の例外が認められなくなる。従来、成分は、例えば「植物油」のように、カテゴリー(種類)で表示することができたが、今後は、例えば「ピーナツ油」のように、すべてのアレルギー成分を明示しなければならない。同様に、従来は「天然フレーバー」とだけ表示していたものも、「ナッツ」といったように、天然フレーバーのソースを表示しなければならない。

 従来、アルコール飲料は成分表示の例外とされてきたが、この例外もなくなる。アレルギー源のリストに載せられたすべての成分、例えば「亜硫酸」が明確に表示されねばならない。亜硫酸は多くの食品、ワイン・ビール・サイダーなどの飲料に添加物として使用されており、多くの人が深刻な結果をもたらす喘息発作を患っている。

 この指令は、来年早期と予想される欧州議会での承認を経て発効することになる。

 なお、欧州委員会は次のようなアレルギー源のリストを掲げている。

 ・グルテンとそれからの製品を含むシリアル

 ・甲殻類動物とそれからの製品

 ・卵とそれからの製品

 ・魚とそれからの製品

 ・ピーナツとそれからの製品

 ・大豆とそれからの製品

 ・ミルクとラクトース(乳糖)を含む酪農製品

 ・ナッツとナッツ製品

 ・セロリとそれからの製品

 ・マスタードとそれからの製品

 ・ゴマ種子とそれからの製品

 ・10r/sまたは10r/l以上の濃度の二酸化硫黄と亜硫酸

 SourceEuropean Commission,Food without fear: amended food labelling Directive allows consumers to discover details on allergens,02.11.14