農業情報研究所

HOME グローバリゼーション 食品安全 遺伝子組み換え 狂牛病 農業・農村・食料 環境 ニュースと論調

中国、食品安全確保に向けて全国キャンペーン

農業情報研究所WAPIC)

03.8.23

 Xinhuanet(*)が伝えるところによると、中国は21日、食品の品質を改善し、安全性を確保するために、食品加工・流通の管理を強化する全国的キャンペーンを開始した。商務部の張志剛副部長は、このプロジェクトは、安全な食品の消費を促進し、品質コントロールを強化することに焦点を当てると語った。

 大部分の中国農産物は個人の農家で生産されるために、そのすべての生産を監視することは難しい。そこで、消費サイドからのプロジェクトによって生産を改善する新たな方法を作り出すのだという。商務部は、安全な野菜についての卸売・小売市場での基準を定めたが、安全管理を強化するための別の基準を策定する。基準作りにおける優先されるのは、農産物への農薬残留削減、動物飼料の衛生と添加物に関する基準、遺伝子組み換え(GM)製品の評価と検査基準、環境に優しい製品・有機製品の基準である。また、商務部は、包装工場と流通企業の直接的管理を強化、チェーン・ストア、近代的物流、電子取引、競り取引を促進する。生鮮食品を販売するスーパーマーケットは住宅地近くへの進出を奨励され、伝統的農産物市場は可能なかぎりスーパーマーケットに置き替える。

 日本でもたびたび報じられるように、近年、中国の農産物輸出は、外国基準を満たさないために阻害されている。商務部は、これは外国の保護主義により引き起こされた問題だが、一部は中国側にも問題があると認めている。副部長は、このプロジェクトの目的が大衆の健康保護であると同時に、農産物輸出の促進にあると話している。

 *China set criteria to ensure food safety,8.21