ノルウェー消費者団体 硝酸塩添加でスモークサーモン業者の刑事告発を要請

農業情報研究所(WAPIC)

06.1.19

 ノルウェーの消費者の利益を代表する独立団体・ノルウェー・コンシューマー・カウンシル(Consumer Council of Norway)が、国のスモークサーモン生産者は、製品を魅力的に見せるために硝酸塩を添加することで国の食品の評判を傷つけてきたと主張している。

 Aftenposten Norwayが18日付けで報じるところによると、カウンシル会長が今週初め、ノルウェー食品安全庁(FSA)に対し、8つの生産者を刑事告発するように要請した。これが禁止物質の故意の使用の事例であることは疑いないという。

 硝酸塩は直接には有害ではないが、食品中でアミンと反応、発癌性のニトロサミンに変わる。主として、窒素肥料(化学肥料とは限らない。大量に施用される堆肥等有機肥料でも同じことだ)を多用する野菜類に多量に含まれることが問題視されてきた。

 硝酸塩添加で食品の色が安定、食品を魅力的に見せかける[ハムが鮮やかなサーモン・ピンクの色を呈するのもそのためだ]。しかし、FSAによると、その主な使用目的は好ましからざる微生物の成長を妨げることにあるという。

 これだけの情報で確かなことは言えないが、ノルウェー産スモークサーモン[養殖もの]は我が国でも珍重されており、注意が必要かもしれない。塩素化農薬、ダイオキシン、PCBsなどによる汚染のために、スコットランド、ノルウェー、カナダ東部の養殖鮭は年に3回以上食べるべきではないとする研究も発表されたばかりだ(鮭消費の便益・リスク分析 スコットランド・ノルウェー・カナダ東部養殖鮭は年に3回まで,06.1.9)。

 Doctored fish a blot on reputation,Aftenposten,1.18
 http://www.aftenposten.no/english/local/article1200706.ece