農業情報研究所食品安全>ニュース:2010年8月18日

中国に多い子供の早熟は農薬散布で食品中のエストロゲンが増えるため 北京のドクター

 北京母子健康管理病院早期性成熟(早熟)クリニックのドクターが、中国には早熟の子供が多く、その比率は1%、大部分の先進国の10倍近い、これは野菜や果物への農薬散布の結果、フードチェーンに含まれるエストロゲンが増加しているからではないか、と言っているそうである。

 Early maturity linked to food additives, pesticides: experts ,China Daily,8.18
 http://www.chinadaily.com.cn/china/2010-08/18/content_11167730.htm

 日本のメディアも報じたように、中国の一部メディアが今月、湖北省武漢市在住の生後4〜15ヵ月の女児3人の乳房が膨らみ始めた、赤ちゃんが飲んだ粉ミルクに含まれていた女性ホルモンが原因ではないかと疑われると報じ、大騒ぎになった。

 しかし、中国当局は15日、粉ミルクがこれを引き起こした証拠は見つからなかったと、この疑いを正式に否定した。

 No link between milk powder and infant breast growth: ministry,xinhua,8.15
 http://news.xinhuanet.com/english2010/china/2010-08/15/c_13445886.htm

 しかし、上海では専門家が3万もの早熟の子供がいると推定していると地方メディアが流すなど、市民の中国製粉ミルクへの不信感は収まらない。ところが、ドクターの発言は、問題がそれだけに収まらないことを示す。

 過去2ヵ月、保健部は食品添加物の使用を制限する一連の規則を公布してきた。しかし、中国疾病管理予防センターの栄養・食品安全部局研究者は、そのブログで、「中国には食品を生産する2億の農村家庭が散らばっており、50万以上の中小食品加工業者もいる」、そのすべてに十分な科学的知識と、すべの食品規則を守る順法意識を持たせるのは不可能だ、と書いているそうである。

 これでは、粉ミルクだけでなく、食品全体が信用できないことになる。