農業情報研究所食品安全ニュース:2013年4月13日

輸入米から高濃度の鉛 輸入米監視を強めよと米研究者 米国産米のヒ素汚染は問題とせず

 アメリカ化学会の年次大会で、台湾、中国、イタリア、インド、タイ、ブータン、チェコ共和国の米が米国食品医薬局(FDA)が定める暫定耐容一日摂取量(PTTI)を超える鉛を含むことが報告された。

 Another blow for Thai rice,Bangkok Post,4.13

 台湾、中国の米が最高レベルの鉛を含むが、それより低いレベルのタイ米でも、子どものPTTIの30倍から60倍、大人のPTTIの20倍から40倍の鉛を含む。パキスタンとブラジルについてもサンプリングを続けている。研究者は、栽培・収穫中に土壌と灌漑水を通して汚染されたと考えている。輸入品の監視を強化すべきだと言う。

 ただし、昨年"Consumer Report"で報告された(非有機)ヒ素汚染アメリカ米については、何故か、食べるのを控える必要はないと言う。Consumer Reportは、環境保護局(EPA)は発がん物質である非有機ヒ素への暴露の安全レベルはないとし、飲料水については10ppbの安全基準があるのに、ほとんどの食品については連邦基準がないのは大問題としていた。輸入品だけを厳しく規制するのは片手落ちではないか。

 タイ米輸出協会名誉会長は、アメリカ研究者は国産米の問題は放置、どうして輸入米だけを研究するのかと訝っている。

 日本も、中国米の鉛はもとより、TPPでアメリカ米がなだれ込んできたら、徹底してヒ素検査を行うべきだ。

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 Thai rice 'has lowest arsenic',Bangkok Post,13.1.15