農業情報研究所

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カンクン自殺韓国農民の1ヵ月前の叫び

農業情報研究所(WAPIC)

03.9.13

 WTO閣僚会合が開かれているカンクンで、WTOに抗議する韓国農民がナイフで胸を刺して自殺した。彼は何を訴えようととしたのか。それを明らかにするとして、9月12日付の英国「ガーディアン」紙が、この農民が先月、”Korean AgroFood”誌に書いた記事を紹介している。その抜粋を翻訳して紹介する。

 「私は56歳、我々の問題を懸命に解決しようとしてきたが、・・・他所の多くの農業指導者と同様に大部分は失敗してきた韓国農民だ」。

 「ガット(現在のWTO)のウルグアイ・ラウンドが1992年(ママ)に調印されたすぐあと、我々農民は我々の運命が自分の手から逃れたことを知った。我々は、愛する農村コミュニティーが破壊されるのを見守る以外、何もできない。自分自身を元気づけるために、私はその真の理由を探し求めた」。

 前議員の彼は、WTOの政策が世界中の数億の小農民の貧困化に直接つながっていると結論し、今年2月、ジュネーブのWTO事務局の外にテントを張り、「WTOは殺す」の垂れ幕を据えて、たった一人の抗議を始めた。

 「私は、私の体の中で長い間煮えたぎっていた言葉を叫んでいる」。「WTO以来、我々は生産コストを支払われたことがない。時に、価格は以前の普通の価格の4分の1にも下がった。もしサラリーが、はっきりした理由もわからず、突然半分に減ったら、あなたはどう思うだろうか」。

 多くの韓国農民は都市のスラムに去った。残った者には借金が積もった。「あるとき、私は、とてもは払いきれない借金のために毒を飲んで命を断った農民の家に走った。私は、彼の妻の嗚咽を聞く以外、何もできなかった。あなたが私だったら、どう感じただろうか」。

 「貿易で金を稼ぐのは、食糧を確保するための[小農民が望む]方法ではない。私は、すべての市民に向けて、無統制の多国籍企業と巨大なWTO加盟国の役人の中の少数が、非人間的なグローバリゼーション、環境を破壊し・農民を殺す非民主的政策に導いていると警告する。それは直ちに停止させねばならない、さもなければ、ネオ・リベラリズムの似非論理が、世界の農業の多様性を滅ぼし、すべての者に災厄をもたらす」。

 (Farmer who got a hearing by paying the ultimete price,Guardian,03.9.12より)