韓国:WTO交渉で漁業補助金大幅削減の可能性

農業情報研究所(WAPIC)

2002.1.28

 1月28日、WTOの下での多角的貿易交渉がスタートする。”The Korea Times”によると、この交渉により、韓国漁業を支える補助金の削減が迫られよう。

 韓国政府によれば、米国やカナダは漁業補助金を各国漁業生産高の5%以下にまで削減しようとしている。5%という数字は、補助率がこれを越えると他の国に損害を与えるとみなされるWTO規則に基づいている。この問題は、昨年末のカタール・ドーハの第4回閣僚会合で、"Fish Friends Group"と称する魚輸出国グループが初めて取り上げたものである。

 韓国の現在の海産物への補助金は635億ウォンで、生産高の1.5%にとどまる。しかし、"Fish Friends Group"は、韓国の(燃料)油に対する免税措置が補助金に相当すると指摘している。これが補助金に含まれるとすれば、補助率は10%以上に跳ね上がる。補助率を5%ほどに下げるとなると、免税油の供給は半減し、漁民を怒らせることになる。

 政府筋によれば、「補助金問題は加盟国間の大きな争いの引き金になるだろう。我々は最悪のシナリオに基づく対応策を考え出すことになる」。

 Fishermen Face Cut in Subsidy,The Korea Times,1.27

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