農業情報研究所

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タイ、EU砂糖輸出補助でWTO協議を要請

農業情報研究所(WAPIC)

03.3.23

 「バンコク・ポスト」紙によると、タイはEUの砂糖輸出補助が世界の砂糖価格を歪めていると、WTOに協議を要請した。この問題でのWTO協議の要請は、昨年10月のオーストラリア、ブラジルの要請に続く3番目のものである。タイはEUの補助がWTOで約束した上限を上回っていると訴えている。

 EUと競争する輸出国は、世界市場価格と域内市場価格の差額を補填することでEUの過剰な砂糖(C シュガー)の輸出を可能にするEUの砂糖制度が、生産コストを下回る価格での国際市場へのダンピング輸出をもたらしていると批判してきた。オーストラリアとブラジルは、EUの補助金は砂糖だけでえなく、砂糖を含む様々な製品の価格にも影響を与えていると訴えている。両国によれば、EUの補助された過剰な砂糖の輸出は、WTOの約束の160万トンという上限を上回っている。

 世界市場の現在の粗糖スポット価格は、これら諸国の砂糖産業が存続可能と見られるレベルを8セントほど下回る6セントに低迷しており、3ヵ国は、この価格の引き上げを求めている。

 Thailand questions EU sugar subsidies,Bangkok Post,3.20