農業補助金、フィリピンはカンクンでの立場を変えず

農業情報研究所(WAPIC)

03.11.1

 10月30日に行われた会談で、フィリピンのロハス通商産業相が農業補助金を含む様々な世界貿易問題で米国やその他の先進国に反対する立場は変えないと米国大使に伝えた(RP defies Washington on farm subsidies,Business World,10.31)。会談は18日のブッシュ大統領訪比のフォロースルーのために行われたもので、米国大使はカンクンでの立場をなお変えないのかと質したのにロハスが答えた。

 彼は、米国の圧力で四つのラテン・アメリカ諸国がG21グループを離脱し、その貿易に関する立場を放棄したとしても、フィリピンはブラジル主導のグループにとどまると伝えた。大使は、農業補助金を削減する意思はあるが、一方的に[EUや日本がそうしない限り]削減するつもりはないという米国の立場を繰り返したという。

 会談では、米国市場への無税または特恵税率でのアクセスを許す一般特恵制度(GSP)へのフィリピンの参入の改善や自動車メーカー(フォードのフィリピン子会社)の輸出刺激策などの問題も話し合われた。

 GSPに関しては、フィリピンは、とりわけミンダナオの生鮮食品―果実・野菜、水産物―がGSP対象品目に含まれることを望んでいる。米国は国内企業の訴えを聞いて、GSP対象品目を毎年見直すが、フィリピンに対して最低10億ドルのGSP枠を約束している。特にパイナップル製品やツナ製品がGSPの恩恵に浴している、与えられた枠の60%ほどしか消化できていない(DTI wants food products from Mindanao in GSP list, Business World,10.29)。

農業情報研究所(WAPIC)

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