韓国ソウル地裁 貿易自由化抗議農民の死は政府の責任

農業情報研究所(WAPIC)

08.11.18

 ソウル中央地方法院(地裁)が18日、自由貿易への抗議行動中*に警察に大怪我を負わされた一農民の2005年末の死亡は政府に責任があるとし、遺族に1億3000万ウォン(91,485米ドル、884万円)の補償金を払うように命じた。

 *韓国議会 米輸入拡大法案を可決 農薬自殺で命を賭けた農民の抗議も通ぜず,05.11.24

 Court orders 130 million won state compensation for farmer's family,Yanhap,11.18,11:44
 http://english.yonhapnews.co.kr/news/2008/11/18/0200000000AEN20081118003200315.HTML

 それでも李明博大統領、未だに発効しない韓米自由貿易協定の韓米両議会による批准を急かすばかりか、韓国農畜産業の壊滅につなが りかねないオーストラリアとの自由貿易交渉を開始、南米共同体(メルコスール:ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイで構成)との自由貿易協定交渉も開始を急げと号令をかけている。

 (2nd LD) Lee calls for speeding up talks on Korea-MERCOSUR FTAYonahap,11.18
 http://english.yonhapnews.co.kr/news/2008/11/18/0200000000AEN20081118002600315.HTML

 大統領は、自国の食糧安全保障に責任を負うつもりがあるのだろうか。今月13日、フランス経済社会環境評議会とEU経済社会委員会がパリで開いた”世界の食糧問題に挑戦する”会合は、各国政府と国際機関(IMF、WTO、FAOなど)が、世界中の農業者の適正な所得の保証と、各国の食糧安全保障・供給に責任を負うべきと宣言した。

 L’Union européenne face au défi alimentaire: Un partenariat mondial,European Commission,11.17
  http://europa.eu/rapid/pressReleasesAction.do?reference=CES/08/103&format=HTML&aged=0&language=FR&guiLanguage=en
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