農業情報研究所グローバリゼーション農水産物・食料品貿易ニュース:2010年11月24日

中国 米国企業と大豆550万トン購入協定 米国経済にとってもビッグニュースとビルサック米農務長官

 中国10企業が23日、カーギル、ADM、ブンゲ、ルイ・ドレフュスなど穀物メジャーを含む米国7企業から550万トンの大豆を購入する協定に調印した。現販売年度(2010年9月〜2011年8月)の間に、現価で30億ドル(約2500億円)ほどこれだけの量を購入する。ただし、契約には未調印で、中国企業は価格がブッシェル16ドルを超える場合には協定を取り消すことができるという。

 UPDATE 1-China to buy 5.5 mln T of US soybeans-USDA,Reuters,11.23
 http://uk.reuters.com/article/idUKN2322324320101123

 この協定調印を受け、ビルサック米農務長官は、「中国が550万トンの米国大豆を購入することを約束する今日の契約調印は、中国が米国を高級品の信頼できる供給者としてあてにしていることを示す。現価で30億ドル相当のこの販売は、アメリカの大豆生産者のみならず、米国経済全体によってもビッグニュースだ」と、わざわざ声明を出した。

 長官によると、米国農産物の中国への輸出額は、この10年の間に15億ドルから150億ドルへと10倍に増えた。輸出10億ドルごとに8000の雇用が支えられるから、150億ドルの輸出は12万の米国雇用を支えていることになる。昨年、中国は米国農業の世界第二の輸出市場になり、2010年も米国大豆の最大の輸出市場(90億ドル)にとどまっている。中国のおかげで、5年間で米国の輸出を倍増させるというオバマ大統領の目標の達成に農業が貢献できるという。

 Statement by Agriculture Secretary Tom Vilsack on China's Intentions to Purchase More Than 5.5 Million Metric Tons of U.S. Soybeans,USDA,11.22

 なお、中国は今年、およそ5000万トンの大豆を輸入した。中国は1996年以来、大豆の純輸出国から純輸入国に転じた。圧搾産業が安価な輸入遺伝子組み換え(GM)大豆の利用に走ったからである。中国国産大豆は豆腐やベジタリアン向けの大豆食品の生産に利用されるだけで、その生産高は今や世界の総生産高の6%(1995年には11%)にまで落ち込んでいる。

 今年はトウモロコシも輸入国に転じた。150万トンほどの輸入が見込まれるという。

 Pricy grain is forecast,China Daily,11.22
 http://www.chinadaily.com.cn/usa/2010-11/22/content_11586666.htm