農業情報研究所


WTO:NGOが制度改革を要求

農業情報研究所(WAPIC)

2001.10.13

  今週初め、世界自然保護基金(WWF)、国際地球の友(FoE)、農業・貿易政策研究所(IATP)など六つのNGOがWTOの包括的制度改革を求める公開書簡をWTOに提出した。それはWTOの内部的・対外的不透明性への懸念を表明し、新ラウンド開始を促す事務局長とスタッフのやり方を批判している。多くの途上国の反対のなかでのこの態度は、加盟国が引牽する組織という事務局の一貫性と中立性に疑問を投げかけるというのである。

 NGOが繰り返し言うのは、事務局スタッフの構成において途上国代表が非常に少ないことである。書簡によれば、そのスタッフ512人のうち、410人までが先進国出身者である。WTO側もこれを認め、150人の政策スタッフでも先進国出身者が多数を占め、26人の管理スタッフ中、途上国出身者は6人、女性に至ってはたった3人にすぎない。こうしたことが貿易自由化と新ラウンドに向かう過程の不平等とアンバランスに反映される。

 WTO交渉は一握りの大国に支配され、多くの代表は非公式協議から排除されている。途上国のジュネーブ使節団員は先進国の半分以下であり、会合の増加により途上国は一層不利になっている。

 対外的側面に関しても、貿易担当閣僚は限られた一定のビジネスを代表するにすぎないことが多い。これらNGOグループは、貿易とそれがもたらす結果に影響される農民・女性・議員・一般市民が貿易ルールと政策の案出に発言権をもたねばなtらないと提案している。

 グループは、11月の閣僚会合代表団が一般理事会に対して制度改革の作業計画を作成することを命じるように要請し、この改革は能力建設・会合・政策決定・紛争処理などの内的側面と、NGOの信任・政府間組織との協調メカニズム・議会の監視・国内協議のガイドラインなどの対外的側面をカバーしなければならないとしている。

 A 'Crisis Of Legitimacy' Facing World Trade Meeting,WTOWatch.org News,01.10.12

 

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