農業情報研究所


EU・WTO:EUのサービス貿易交渉案、ネオリベラリズムを露呈

農業情報研究所(WAPIC)

2002.5.2

 IATP(農業・貿易政策研究所)が明かにしたところによると、WTOのサービス貿易自由化交渉(GATS2000)のために欧州委員会が用意している一連の漏れ出た秘密文書がみられるようになった。

 それによると、欧州委員会は、米国、日本、カナダ、メキシコ、ブラジル、韓国、中国、エジプト、インドなど29のWTO加盟国のサービス貿易を制限する法律や規制の除去または適正化を要求している。このニュースを発した団体によれば、この要求のリストにより、EUが一方で持続可能な発展を説きながら、大規模なEU企業の利益ために、特に途上国における基本的サービスの規制緩和、事実上の民営化を迫ろうとしていることが確認できる。

 EUはすべての加盟国に水部門の開放を求めているが、途上国の水部門はスエズ等ヨーロッパの大企業の主要なターゲットである。エネルギー部門やその他小売・観光・輸送などの部門の自由化も要求している。それは、純粋に投機目的の土地購入を禁じるマレ−シアの法律、ホテルや銀行支店の数を制限するエジプトの法律、沿岸地域の土地の外国人所有を制限するメキシコとチリの法律など、外国投資の規制を目的とする多種の公益法をターゲットにしている。

 GATSに関するEUベースのキャンペーン・グループは、EU諸政府に対して交渉に関する情報を完全に公開し、提案された要求リストを拒否するように要求している。また、GATS2000交渉の全面的もモラトリアムも要求している。

 Leaked Confidential Documents Reveal EC`s Neoliberal GATS Agenda,IATP's Trade Observatory,5.1

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