農業情報研究所


米国・シンガポール自由貿易協定、難題にダウン

農業情報研究所(WAPIC)

2002.4.17

 「ストレーツ・タイムズ」紙によると、米国との自由貿易協定交渉について、シンガポールの交渉団長が極めて困難な状況にあることを明かにし た。これは、団長のTommy Kohが米国商業会議所の昼食会で語ったものである。

 交渉は80%終わっているが、残り20%が「非常に困難な問題」を含んでいる。その上、米国上院は、結果を議会が一括承認することになる交渉の権限を大統領に与える「貿易促進法案」(TPA)の承認を拒んでいるために、米国交渉団は労働・投資・環境・紛争処理に関する提案ができなくなっている(米国民主党は、特に貿易自由化により影響を受ける労働者への一層の「貿易調整」支援がなければ、法案の上程を拒否するとしている)。

 協定の哲学は可能な限り多くの分野を自由化することであり、金融サービスでは双方ともWTOのサービス自由化を超えて進もうとしている。協定には物品や知的所有権の貿易も含まれる。しかし、その成否は米国民主党の態度にかかっている。Kohは「我々は不完全な社会に生きている・・・。私は米国が鉄鋼や繊維の分野を自由化することや、農民への補助を停止することは期待しない」と語っている。

 S'pore-US FTA down to thorny issues ,The Straits Times Interactive ,4.16

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