農業情報研究所
韓国・チリ、自由貿易協定に合意
農業情報研究所(WAPIC)
02.10.25
23日、韓国が金融部門を自由貿易協定(FTA)の対象外とするというチリの提案を受け入れ、1999年12月以来続いていた韓国とチリの自由貿易協定交渉が漸く決着した。両国は直ちに協定案に調印し、大統領の承認ののち、議会の批准手続に付す。協定から除外された金融部門については、韓国外交貿易省(MOFAT)はチリ政府に4年以内の再交渉を提案したと発表している。議会が批准すれば、韓国にとって初めてのFTAの実現となる(チリにとっては10番目)。韓国は、このFTAにより、チリはもとより、ラテン・アメリカ全体への輸出が促進されることを期待している。
チリは自動車・移動電話・コンピュータなどを含む韓国の2,300の輸出品目ー韓国の南米への輸出の66%を占めるーの関税をFTA発効と同時に撤廃する。また、自動車部品など2,100品目の関税は、FTA発効の5年後に撤廃する。ただし、韓国の洗濯機と冷蔵庫は協定の対象外とされた。
交渉難航の最大の要因であった農水産物の扱いについては(参照:韓国・チリ:リンゴ・ナシ問題で自由貿易協定(FTA)に暗雲)、リンゴ、ナシ、コメが関税廃止の例外とされた。チリのグレープについては、韓国が季節関税ー韓国の収穫シーズンの夏季ーを課すことを認めている(10年後に廃止)。また、ガーリック、レッド・ペパー、玉葱、酪農製品の関税については、WTOの多角的農業交渉の決着後に交渉することで合意した。
水産物については、チリは韓国のすべての水産物に対する関税を廃止するが、韓国はチリのソーンバックとサーディンについて10年間の関税廃止猶予期間を与えられる。
主要品目の関税廃止のスケジュールは次表のようになる。
韓国の輸入 |
チリの輸入 |
|
即時 |
飼料と飼料添加物、花卉、ウール、トマト、 | 自動車、機械類、プラスチック(PVC、フィルムなど)、繊維、アパレル、鉄鋼製品 |
5年後 | マトンとラム、牛の食用臓物、アンティチョーク | プラスチック製品(ポリエチレン)、電気電子機器、自動車部品 |
7年後 | フルーツジュース(グレープ、イチゴ)、七面鳥肉、桃缶、マメ科植物 | 遠心分離機 |
9年後 | その他フルーツジュース | |
10年後 | 乾燥果実、桃、豚肉、サーディン | 工業用タイヤ、自動車バッテリ、電気掃除機、繊維、アパレル、鉄鋼製品 |
13年後 | 自動車タイヤ、繊維、アパレル、鉄鋼製品 | |
16年後 | 混合フルーツジュース | |
除外 | コメ、リンゴ、ナシ | 洗濯機、冷蔵庫 |
関連報道
Korea, Chile to Sign Free Trade Accord,Korea Times
Homepage,10.24
Korea, Chile to Resume FTA Talks This
Month,Korea
Times Homepage,8.2