韓国 ASEANとのFTA枠組協定に調印 タイは米の例外扱いに反対 調印せず

農業情報研究所(WAPIC)

05.12.10

 9日、韓国とタイを除くASEAN(東南アジア諸国連合)9ヵ国が自由貿易協定(FTA)枠組協定に調印した。ASDEAN+3(中国、韓国、日本)サミット出席のためにマレーシア・クアランプールを訪れた首脳によって調印されたものである。この枠組協定を基礎に、来年中のFTA締結を目指す。

 協定によると、2010年までにすべての貿易商品の97%を自由化、うち90%は関税を撤廃する。ただし、ASEAN諸国中の比較的先進的な6ヵ国は5%までの品目の関税撤廃を2012年まで延期できる。また、後発3ヵ国(ベトナム、ラオス、カンボジア)については、遅れて参加するが、期限は特定されていない。

 タイは、韓国が米の除外を主張したために調印しなかった。韓国政府は、一層の米市場開放に反対する農民団体の激しい抵抗に直面している(韓国議会 米輸入拡大法案を可決 農薬自殺で命を賭けた農民の抗議も通ぜず,05.11.24)。他方、タイのソムキッド商業相は、タイ人口の70%以上が農民だから、タイにとって米は重要と語ったという。彼によると、さらに3ヵ月から6ヵ月の交渉が必要で、来年の合意を期待している。ただ、日本とのFTAでは既に米の自由化例外扱いで合意しており、韓国が譲歩するとは考えられない。

 情報源
 Framework signed by all but Thailand,Bangkok Post,.12.10
 http://www.bangkokpost.com/News/10Dec2005_news06.php

  Korea, ASEAN Agree on Freeing Goods Trade,The Korea Times,12.9
  http://times.hankooki.com/lpage/nation/200512/kt2005120922381311990.htm