フィリピン 日比EPAで増えるだろう日本からの有害廃棄物の捨て場は既に完成 

農業情報研究所(WAPIC)

06.11.1

  先日、日比経済連携協定(JPEPA)の締結により村が日本の有害廃棄物の投棄場になるとフィリピン農民が抗議していると伝えたが(フィリピン農民 日比経済連携協定に抗議 彼らの土地が有害廃棄物投棄場になる,06.10.27) 、農民グループは、改めてマニラ南方・カビテ州テルナテの84haの地所で、既に日本からの廃棄物の埋め立て場が完成していることを明らかにした。住民との対話の中で、知事自身が、この埋め立て場は、日本らの廃用器械器具やエレクトロニクス製品の埋め立てに使われると語ったという。

  Group says landfill for Japan waste being prepared in Cavite,INQ7.net,11.1
  http://newsinfo.inq7.net/breakingnews/nation/view_article.php?article_id=29966

 グループは、埋め立て場が農地に水を引く川や海岸リゾートのプレルト・アスールに近いことから、地域住民の生活と生計に深刻な危険が生じると言っている。

 また、アキノ・ピメンテル・Jr上院議員は、日本の三重県からのクロムその他の有害廃棄物がミンダナオで投棄されているという報告を受け取ったことを明らかにしたともいう。

 駐比日本大使は、協定で廃棄物も無税輸出が可能になるが、日本はバーゼル条約締結国で、相手国の了承がないかぎり有害廃棄物をフィリピンに輸出することはないと弁明している。

 Japan won’t export toxic waste to RP, says embassy,INQ7.net,10.30
 http://newsinfo.inq7.net/breakingnews/nation/view_article.php?article_id=29560

 しかし、無税となれば、有害廃棄物の捨て場としてフィリピンを選ぶ動きが強まり、フィリピン当局が受け入れに動くことは十分に考えられる。有害廃棄物は宝の山でもある。農民は、有害廃棄物の受け入れの誘引となる経済連携協定の批准に反対している。