タイ閣議 廃棄物・微生物特許をめぐる疑惑が晴れるまで対日FTAに調印するな

農業情報研究所(WAPIC)

07.2.22

 バンコク・ポスト紙によると、タイ閣議が20日、タイ・日自由貿易協定(FTA)交渉官に対し、有害廃棄物や微生物特許などの問題に関して浮上している疑念を晴らすために日本政府とさらに交渉することなくしては協定に調印しないように指示した。

 この決定は、現在の形の協定に調印すれば日本の有害廃棄物のタイへの輸入への道を開くばかりか、タイの農民や薬剤師が通常使用している微生物の特許を許すことになるという学界や国家立法会議 一部議員の注意を受けてのものという。

 (参照:タイ 対日FTA調印を急ぐな 自然界微生物特許に道を開くと生物・薬学専門家,07.2.19;タイでも有害廃棄物の捨て場になると、日本との経済連携協定批判の動き,06.12.3)

 交渉を率いるタイ外務省のピサン副事務次官は、閣議は既に、両国が廃棄物輸入と微生物特許をめぐる懸念を解決した後にのみ協定に調印すると外務省が日本政府に伝えることを許したと語った。彼は、この懸念を日本に理解させるために最善を尽くすが、日本を協定文修正に応じさせるのは容易ではないだろうと認めた。とはいえ、両国が4月末までにはこれらすべての障害を取り除き、調印に漕ぎ着けることができると期待しているという。

 Govt orders more FTA talks,Bangkok Post,2.21
  http://www.bangkokpost.com/210207_News/21Feb2007_news23.php