農業情報研究所グローバリゼーション二国間関係・地域協力ニュース:2011年4月13日

TPP米国提案 安価なジェネリック医薬品へのアクセスが困難に NGOや学界が国連特別報告官に訴える

  世界の非政府組織や学界のグループが、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、TPP参加国における手頃な価格のジェネリック医薬品へのアクセスを危うくすると、「すべての者の最高レベルの保健基準享受への権利に関する国連特別報告官」に訴えている。

  グループのアナンド・グローバー特別報告官に宛てた公開書簡によると、TPPの知的所有権の章に関する米国提案が受け入れられば、安価なジェネリック医薬品をブランド医薬品を供給できない国が生産したり、輸入したりすることが難しくなる。

 http://keionline.org/sites/default/files/r2h_anand_grover_tpp_22march2011.pdf

 WTO協定(TRIPS)は、ジェネリック医薬品を生産する企業がその製品の承認を得る際、対応するブランド医薬品にかかわる臨床データを使用することを許容している。ところが、TPP交渉で提案されている条項は、製薬企業に対して臨床試験データへの排他的権利を与えている。TPP参加国のジェネリック薬品製造者は、製品の効能を証明するために、まったく新しい試験を行わねばならないことになるという。

   Pacific free-trade agreement 'threat to generic drugs',SciDev,4.12