農業情報研究所


米国:農務省、バイテク・フリー保証システムの設立へ

農業情報研究所(WAPIC)

2002.8.9

 米国農務省(USDA)は、米国のコーン、大豆、その他の作物の輸出貨物が遺伝子を操作されたものであるかどうかを検証する任意のシステムの設置に乗り出す。8月6日の"Federal Register"のnoticeで、数ヵ月のうちに新システムを公式に提案すると告げた(Federal Register: August 6, 2002 (Volume 67, Number 151):Notices,Page 50853-50854)。EU、日本をはじめ多くの国が、遺伝子組み換え(GM)品の存在への恐れから、米国食料・農産品の輸入をためらっている。WTOの市場開放交渉を進めるにあたり、GM‐Freeを認証することで輸出促進を狙ったものと見られる。GM-Freeの表示はアグリ・ビジネスが強く反対している。そこで、このシステムにより、外国バイヤーにGM-Freeを保証しようというのである。

 このシステムの下では、企業は収穫から貯蔵、加工に至る「フード・チェーン」のすべてのレベルで、GM製品と他の製品との分離のシステムを確立する。連邦監視員が企業のシステムを監査、生産・出荷・加工のための最低限の要件が守られているかどうかを検証する。検証されるのは、「プロセス」であって、最終製品ではない。種子についても同様なシステムを設置することができる。この場合には、biotech-freeというUSDAに承認された表示をすることができる。

 これは、2年前のスターリンク混入事件後にUSDAが受け取ったパブリック・コメントを経て提案されたものである。

 関連情報
 米国:政府、GM作物圃場試験前の安全性評価を提案,02.8.3

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