農業情報研究所

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米国の農業バイテク監視は承認後が不十分ー非政府組織報告書

農業情報研究所(WAPIC)

03.4.28

 4月24日、公衆に対して農業バイオテクノロジーに関する中立的・客観的情報を提供することを目的とする米国の非政府組織・Pew Initiative on Food and Biotechnology Post-Market Oversight of Biotech Foods: Is the System Prepared? と題する新たな報告書を発表した。著者は環境・資源問題に関する研究を行なうワシントンのNPOであるResources for the Future Michael TaylorとJody Tickで、現在の農業バイオテクノロジー監督システムは市場放出の承認に焦点を当てており、市場放出後の監督に同様な力点が置かれておらず、弱点があると強調している。

 報告によれば、バイテク製品栽培を監督する米国農務省(USDA)の動植物保健監視局(APHIS)は一旦放出された作物のに条件を付す権限を持たず、環境保護庁(EPA)は(Btコーンのように)植物に合体されたものも含む農薬の環境影響を管理する基準は設定するが、企業を規制するだけで、農場レベルでの執行は企業に任されている。また、食品医薬局(FDA)はバイテク食品の市場放出後の検査プログラムを持たず、食品が、例えば薬品を含むコーンのような非食用バイテク作物に汚染されたかどうかといった問題を調べる手段を持っていない。

 報告は、このような現状では、規制当局が将来のバイテク時代に対する備えができているのかどうか疑問だとしている。