農業情報研究所

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GM技術は貧しい農民を一層苦しめるーActionAid

農業情報研究所(WAPIC)

03.5.30

 イギリスの国際開発団体・ActionAidが、5月28日、遺伝子組み換え(GM)作物は世界の飢餓を克服しないだろうし、第三世界農民の生計を脅かす恐れがあるという新たな研究報告(GM crops-Going against grain)を発表した。研究は、4大陸の900万農民の調査に基づき、GMテクノロジーは貧しい農民を一層の借金に追い立て、世界の飢餓を軽減するよりも、飢餓人口を増加させる恐れが強いと結論している。

 GM種子は貧しい農民よりも大規模商業農場に適したもので、4大多国籍企業−モンサント、シンジェンタ、バイエル・クロップサイエンス・デュポン−の企業利潤を増やす。貧しい国の貧しい農民が利用するためのGM研究は1%にすぎない。農民は自家採種を許されず、ターミネイター・テクノロジーも開発されている。GM作物が収量を増し、農薬使用を減らすという一貫した証拠もない。パキスタンでの調査結果では、多くの農民が収穫を減らしていた。コストの上昇は貧しい農民を借金に駆り立てる。

 こんな技術に重視するよりも、貧しい人々が自身を養い、余った収穫を販売できるように、彼らに土地、信用、資源、市場を与える政策を重視すべきだという。