農業情報研究所

HOME グローバリゼーション 食品安全 遺伝子組み換え 狂牛病 農業・農村・食料 環境 ニュースと論調

ウガンダでGM技術によるバナナ改良研究所が開設

農業情報研究所(WAPIC)

03.8.23

  Nature science newsによると(*)、22日、ウガンダのカンパラに、バイオテクノロジーを通してバナナを改良するための専用研究所が開設された。バナナはウガンダの最大の消費国で、東アフリカ高地のバナナを、毎年1,100万トン収穫し、,食べている。バナナのお陰で、ウガンダが飢餓に曝されることはない。ただし、バナナは種子を生産しない。新たな植栽には既存の樹から切り取ったものが使われる。そのために、病害虫が広がりやすい。そこで、研究所は、既存品種が病気と無縁な環境で育てられるようにするのだという。しかし、中心的目標は、遺伝子組み換え(GM)技術によって病害虫耐性バナナを作り出すことに置かれる。

 バナナ研究専門家は、他の作物ではGM技術を正当化する強力な根拠はないが、このバナナに関しては食品としての安全性や環境への悪影響の懸念は非常に少ないと、政府の支援を希望している。挿入される遺伝子は他のバナナからのものだし、植物は繁殖せず、種子や花粉を通じて環境中に逃げ出すこともない。

 ただ、ウガンダの現在の法律はGM植物の輸入や栽培を制限しており、これを律する規制が未整備であるから、当面はGMバナナやその他のGM作物が登場することはなかろうという。

 *Banana lab opens in Uganda,8.22